働く人々の安全・労働安全衛生
東洋合成では、経営理念・行動指針で「常に安全を最優先」を掲げ、社員、協力会社社員、地域住民など関係者が安心できる環境づくりのため、社長をトップとする環境安全委員会を設置し、各事業所の安全衛生委員会を中心に、安全で健康な職場づくりに努めています。
施策・取り組み内容
当社は、経営理念・行動指針で「常に安全を最優先」を掲げ、安全衛生方針のもと、社員ひいてはその家族の幸せのため、心身ともに健康で安心して働くことのできる職場づくりを推進しております。
安全に関しては、毎月安全パトロールや安全啓発活動を実施し、社員はもちろん、工場内で作業を行う協力会社の皆様も含めたすべてのスタッフが、安全に対する高い意識を共有するための活動を行っています。また、労働災害ゼロを実現するため、リスクアセスメントや安全教育を継続し、体感を経て皆で分かち合うことで、安全に対する理解がより深まる機会を積極的に作っています。衛生に関しては、健康診断・ストレスチェックの結果に基づき、産業医との面談を受ける機会を促し、また、これまので疾病の予防・未然防止の取り組みに加え、社員ひいてはその家族の幸せのため、健康増進を推進する施策を実施しています。こうした健康経営体制の整備を進め、2023年度には、健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定を取得しました。今後も取り組みを継続し、心身ともに健康に働くことのできる職場づくりを心掛け、安全衛生方針の下、健康経営に取り組んでいきます。
安全衛生方針
- 「常に安全を最優先します」を念頭に、全社員が一丸となって安全衛生活動を推進します。
- 人命尊重の理念の下、必要な社内基準を設け、法令を遵守し、安全・健康で働きやすい職場環境の創造を目指します。
- 良好なコミュニケーションを社内・社外で展開し、社内外の関係者の安全と健康の確保に貢献します。
- 全従業員がそれぞれの立場で職場に潜む危険源の把握に努め、事故・災害を未然に防ぎ健康を確保するためリスク低減に貢献します。
安全衛生管理の組織
OSHMS 労働安全衛生マネジメントシステム
危険物を扱う当社は事故を未然に防止するためにOSHMSを導入し、職場のリスクアセスメントを実施し、リスクの低減を図るなどの活動をしています。
※OSHMSとは:労働安全衛生マネジメントシステムの頭文字で、継続的な安全衛生管理を自主的に進めることにより、労働災害の防止と労働者の健康増進、さらに進んで快適な職場環境を形成し、事業場の安全衛生水準の向上を図ることを目的とした安全衛生管理の仕組みのこと
安全への取り組み
安全パトロール
研究所を含めた全事業所で、毎月安全パトロールを実施しています。パトロールには事業所内の各課が相互で行うもの、事業所を超えて他事業所のメンバーが複数参加し相互に行うもの、トップマネジメントが参加するものなど、多彩な活動となっています。様々な視点によるパトロールを実施することで、より効果的、実質的な改善につながる活動を目指しています。
安全啓発活動
当社では社員が自ら調査・企画し、他の社員に安全について教育する活動を「安全啓発活動」とし、各事業所で定期的に実施しています。
静電気講習
当社の製品の多くはその製品中に含まれる金属が非常に少ないことが大きな特徴となっています。そのために金属との接触を避ける生産工程となり、静電気帯電も起こりやすくなります。帯電は、有機溶剤などに対して着火のリスクがありますので、私たちは産業安全技術協会の静電気エキスパートの資格者を複数名確保して、設備の対応、作業の方法について検討し、静電気帯電によるリスクの封じ込めを行っています。その静電気安全の管理を確実なものとするために「安全啓発活動」などの教育の機会に静電気エキスパートを含む社員自らが静電気安全教育を実施しています。
救急救命講習
非常時に備え、各事業所では消防の協力を得て救命講習を実施しています。また事業所にはAEDを設置し、使用方法を「安全啓発活動」などの機会を通じて、教育・訓練しています。
-
空気呼吸器装着訓練
-
空気呼吸器装着訓練
-
救命救急講習
-
救命救急講習
タンクローリー運転手向けの安全教育
高浜油槽所では1日100台を超えるタンクローリーを受け入れています。
ケミカル品の積み込みは運転手との協働作業となり、油槽所の安全は当社の社員、協力会社社員だけでは保つことができません。このような理由から、高浜油槽所では毎月の安全強化日に「安全啓発活動」として荷役開始前のタンクローリー運転手向け安全教育を行っています。私たちはこの取り組みを全社に広げ、社員が自ら調査・企画し、他の社員に安全について教育する活動「安全啓発活動」として展開しています。
お互いに教育し、される立場になることで安全に対する理解がより深まる機会となっています。
安全啓発活動の一つとして毎年、荷主様、運送会社様を対象に本物のタンクローリーを使って溢れさせるオーバーフローの実演をしています。
-
タンクローリー運転手向けの安全教育
-
タンクローリー運転手向けの安全教育
2023年度活動報告(全事業所)
保護手袋の選定に関する自社独自の実測データ取得
化学物質を多品種取り扱うメーカーにおいて、リスク低減対策は社員の安全と健康を守るうえで非常に重要です。2023年度は、化学防護手袋の簡易的な評価方法を導入し、複数の手袋の透過時間を実測し、データを比較することにより、どの物質にどの手袋を使用することが適しているかを判断できるようにしました。JIS 規格で規定されているデータを取得するためには、装置や実施環境など制約が多いため、化学防護手袋研究会のご協力の下、簡易的な評価方法を検討の上導入し、自社内での実測、データ取得、評価を実施しました。今後は、各事業所で実測を行い、データを取得できる環境を整え、新規物質取扱い時にも迅速な判断ができるよう推進していきます。
環境安全部 担当課長
奥瀬 恭規今回、この活動に取り組むまでは、私自身、手袋をしていれば手は保護されると勘違いしていました。利用者の方に、現在使用している手袋で薬剤が透過してくる時間(破
過時間)をグラフ化して見せると、短時間で曝露することに驚かれます。今後も、適切な保護具を選定してその効果を見える化(数値化)することで、リスクを自分事として実感していただき、利用者の方とともに曝露低減を進めてまいります。
2023年度活動報告(香料工場・高浜油槽所)
安全体感教育の実施
安全意識を一層高めるため、危険な状態を実際に体感する「安全体感教育」を各事業所で実施しています。2023年度は、香料工場・高浜油槽所で、水圧のかかったフランジを解体させる事で噴き出す水を体感する「液封体感教育」と、香料工場で、取り扱う酸素厳禁の薬品をグラスウールにしみ込ませ発熱させ、温度の上昇や実際の熱さを確認する「薬品危険性体感教育」を実施しました。急な液体の噴出や薬品による発熱を実際に体感することにより、日常の点検や操作、取扱いをより慎重に行う、保護具着用を徹底しようという意識が更に高まりました。
労働災害度数率・強度率
労働災害の発生頻度を表す度数率と、休業により労働できなくなった日数を表す強度率で、労働災害の発生状況を毎年評価しています。2023年度は、休業1日以上の労働災害が1件発生したため、労働災害度数率は0.59となりましたが、度数率・強度率共に、同人数規模の各業種と比較し、低い数値となっております。当社では毎年、「休業災害・不休業災害ゼロ」達成を目指し、各事業所で積極的な安全活動を推進しています。今後も、発生した災害の原因や安全パトロールで見つかった不安全な状態などを全社共有し、一丸となって改善に取り組むことで災害ゼロを目指します。
健康管理への取り組み
従業員の健康促進
心身の健康管理のため、ストレスチェック・定期健康診断・特殊健康診断を全従業員対象に実施しています。今年度のストレスチェックの受検率は、前年度より5.2ポイント増の91.2%となりました。定期健康診断の受診は、新型コロナウィルスの流行に伴い近年100%を達成できていませんでしたが、健康管理の必要性を再周知し、未受診者へのリマインドを繰り返すことにより、受診率100%にできました。また、有所見者率は昨年度より0.6ポイント減の、38.6%となりました。
健康診断結果の有所見者には、段階別ケアを綿密に行い、将来の健康寿命も見据えた指導やアドバイスを産業医・産業保健スタッフにより実施しています。今年度は、高血圧予備軍の従業員に向け、血圧の自己測定と記録を実施してもらい、結果について産業医からアドバイスをもらうことにより、日々の血圧に留意し生活改善をしてもらう指導を行っています。
2023年度活動報告(全事業所)
健康経営優良法人の認定を取得
社員が心身ともに健康であることが、経営の重要な資源と捉え、各種人事施策の強化、福利厚生の充実、各事業所独自での健康施策の実施など、働きやすい環境づくりに取り組んでいます。その積み重ねの結果、経済産業省が推進する「健康経営優良法人認定制度」に基づく健康経営優良法人(2024)の認定を受けることができました。2023年度は、楽しみながら健康維持増進に取り組み、健康意識の底上げを行うことを目的とし、全社員1人1個「自分自身の健康を維持増進する施策」を実行しました。自分自身の健康を維持増進するために、何をするべきかを考え、実施事項を決め、実行することにより、自身の食事や運動、睡眠等の改善につながり、健康維持増進への意識を高めることができました。
ストレスチェック受検率
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
87.4% | 86.0% | 91.2% | 97.9% |
健康診断受診率推移
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
99.85% | 99.87% | 100% | 100% |
有所見率の割合の推移
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|
当社 | 38.0% | 39.2% | 38.6% | 41.1% |
化学工業 | 60.1% | 56.3% | 55.0% | 56.3% |
傷病による欠勤日(全従業員平均)
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
- | - | 1.8日 | 0.6日 |