地球環境への対応

環境.png


環境画像

東洋合成は、電子部品製造用材料の生産、調合香料用材料の生産、化学製品の生産に使う溶剤のリサイクル、液体石油化学品の省エネルギー物流等を通じて、社会に貢献します。私たちはこの企業活動で地域社会が負う環境負荷が低く抑えられ、また企業活動が地球環境の改善に貢献できるように努めます。

取り組み

持続可能な社会に向け、気候変動を引き起こすCO₂に代表される温室効果ガス(以下、GHGs)排出の削減は、重要課題であると認識しております。気候変動問題への取り組みの有効性を高めるため、生産当たりのエネルギー消費などを定量的把握し、製造工程や設備のエネルギー効率を見直し、その改善状況を月次、四半期、半期、年次で確認しています。それら結果を踏まえ、さらに中長期の計画を見直すことにより、エネルギー消費の最適化を目指してまいります。その検討においては、新たな革新的技術の導入も検討し、生産プロセスの改善によるエネルギー消費量の削減、非化石電力導入、省エネ設備の導入、再生エネルギーの活用なども推進しております。また、70年以上培った、分離精製技術を活かし溶剤リサイクル事業にも取り組んでいます。自動車、電機、電子、医薬・農薬と幅広い業界でのリサイクル実績があり、今後も資源の有効活用を推進し、地球環境の保全に 貢献し、気候変動関連問題にも積極的に取り組んでまいります。

施策

事業成長の中で、目標達成に向けた精緻な工程表を検討するために、エネルギー使用量管理プロジェクトを発足いたしました。 本プロジェクトにおいては、生産プロセスの省エネ目標設定・実行を目的に、エネルギー消費量の見える化と将来予測が可能なモデルを検討しています。
また、エネルギー供給システムの見直しによる省エネルギー化を進めており、その上でグリーン電力購入による脱炭素も進めています。全体の取り組みで不足する部分は、カーボンクレジットの購入などで補うことで、推進を図ってまいります。
さらに、スコープ3(製造過程で発生、または購入した原料生産段階でのGHGs 排出など)と製品単位でのGHG 排出量(カーボンフットプリント)を定量化する仕組みの構築にも着手し、サプライチェーン全体での脱炭素化を推進してまいります。

環境方針

目標

環境保全と安全操業を経営の重要課題と位置付け、各事業所は内に向かっては「社員の安全と健康」を、外に向かっては「地域環境の保全」を念頭に企業活動を推進します。

法の遵守

環境保全の諸法令を遵守し、地域の住民の声にも耳を傾けるように全従業員に徹底します。

取り組み体制

社長を委員長とし、事業部長、各事業所長から構成される「環境安全委員会」を設置し、年1回、省エネ・脱炭素、廃棄物削減、PRTR(化学物質の大気放出量削減)、リサイクル、水資源の有効活用などについて、社内外からの要望や進捗を整理し、脱炭素・省エネの年次目標を策定しています。 また各事業所では、環境安全関連を専門に扱う組織を編成し、3カ月毎のリスク管理委員会で進捗を確認し、リスクの分析・評価を実施しています。

環境管理の組織

環境管理の組織

目標

気候変動問題に対応するため、環境負荷軽減に向けた中長期目標を設定いたしました。

Scope1+2 2030年度までに32%削減
(2013年度比)
省エネ対応 エネルギー使用を原単位
* 前年比1% 削減

*エネルギー原単位=生産当たりのエネルギー消費量

環境への取り組み

CO₂排出量とエネルギー原単位の推移

2023 年度のエネルギー使用量は前年から15.4%の削減、エネルギー原単位は2013年度基準で約2%の削減となりました。 CO₂排出量は43,269t‐CO₂となり、生産量の減少も寄与し、前年から17.8% の削減となっています。今後、2030年のCO₂排出削減目標に向け、取り組みを加速してまいります。
2023年には、当社CO₂排出量の約40%を占める電力に注目し、グリーン電力化の計画を立案、淡路工場で使用比率を30% から50%まで引き上げました。また毎月、エネルギー消費量の確認と施策評価を行い、生産当たりのエネルギー消費削減を目的とした、エネルギー消費の見える化、生産プロセス改善、非化石電力導入、省エネ設備の導入、再生エネルギー活用などを推進しています。今後も目標達成に向け、こうした取り組みを強化し、社会全体のカーボンニュートラルへ貢献してまいります。

エネルギ-使用量の推移.jpg

2023年度活動報告(全事業所)

GHG(温室効果ガス)排出量削減に向けた活動

半導体の発展に貢献する品質管理当社のCO₂削減目標はGHG 排出量-Scope1,2-32%削減(2013年度比)としています。化学産業のCO₂排出量は産業界で2番目に多く、その中で最もCO₂排出量が多い製造工程は蒸留精製といわれています。化成品事業部は蒸留精製が事業の主軸であり、製品単位当たりのCO₂排出量は多くなります。そこで全社活動であるエネルギーの見える化だけでなく、工場ごとのGHG 排出量の把握を進めています。淡路工場では重油燃焼ボイラーに比べてCO₂排出量が少ないLNG ボイラーを活用し、さらに他事業所に先行し電力の一部をグリーン電力へ切り替え運用しています。グリーン電力への切り替えは他事業所でも進めていく計画を進めており、会社全体として再生可能エネルギーの活用を進めながら、技術開発や新技術の導入によりGHG 削減策を模索し、目標達成を目指していきます。

quality_05_2022.jpg化成品事業企画部 部長 松下 将之
環境安全部 担当課長 功刀 裕司
持続可能な社会の実現に向けて、GHG 排出量算定や削減計画の開示など、地球環境の保全に対する企業の責任は年々増加しています。カーボンフットプリントの算定については、特に香料業界からの要請が強く、化成品事業企画部と環境安全部が連携し、先行して開始しました。カーボンフットプリントとは製品単位でのGHG排出量のため、各工場の製品ごとの対応となりますが、並行して全社GHG 排出量となるGHGプロトコルScope3の算定も進めています。自社内のGHG 削減に加え、今後もサプライチェーンでの削減に向けた取り組みを強化と算定結果を活用し、会社全体のGHG削減への貢献を加速していきます。

廃棄物及び再資源化

2023年度は、生産あたりの廃液量の削減、リサイクルの推進により、廃棄物量を20%削減しました。

廃棄物量と原単位(全社)

千葉工場では、リサイクルを強化し、工程から出る廃液処理を改善し、溶剤の再資源化(サーマルリサイクル)を推進し、リサイクル量は前年から115t増加しました。また当社では、工場での使用済み溶剤を蒸留精製し、品質を管理した上で社内での再利用を進めています。さらに当社の高純度化技術を活かし、化成品事業部(市川、淡路工場)では溶剤のリサイクル事業を行っております。今後、回収装置の改善、プロセスの改良、分別化などにより、さらなる再利用量の向上、廃棄物量削減に努め、生産過程からの排出物のリサイクル化を強化するとともに、リサイクル事業を通じて、社会全体の廃棄物削減に貢献を高めてまいります。

  • リサイクル事業

    リサイクル事業
  • 再資源化(マテリアルリサイクル)

    再資源化(マテリアルリサイクル)
  • サーマルリサイクル(自社消費量)

    サーマルリサイクル(自社消費量)

大気・水質

大気への汚染物質排出量は、窒素酸化物(NOx)・ばいじんについては微増、硫黄酸化物(SOx)については減少となっております。各事業所では、定期的に排出ガスの分析を行い、環境基準内であることを確認し、より環境負荷の少ないボイラーの導入などを検討しています。
また水質については、水域への排水中の、化学的酸素要求量(COD)は前年比で微増となっていますが、これは廃棄物削減のため、社内での生物処理など排水処理を増やしていることも寄与しています。今後もCOD 計、全有機体炭素計(TOC 計)、ガスクロマトグラフ質量分析計などを積極的に導入し、環境負荷の定量化に努め、排水基準値の遵守はもちろんこと、自社廃水処理場で可能なかぎり環境負荷が下がるまで排水処理を行うことで、産業廃棄物の減量化を推進してまいります。

非財務ハイライトデータは各種データからご覧いただけます。
各種データ

  • SOx排出量

    SOx.jpg
  • NOx排出量

    NOx.jpg
  • ばいじん排出量

    ばいじん.jpg
  • COD負荷

    COD.jpg

PRTR

化学物質排出把握管理促進法(PRTR 制度)に則り、指定化学物質の大気排出量及び移動量の届出を行っております。この制度は、指定化学物質による環境影響低減が目的となりますが、当社でも、指定物質の取扱い・管理強化・排出量の削減を推進しております。

大気排出量

  • 千葉工場での取り組み(ベンゼン大気放出量の削減)

    千葉工場での取り組み(ベンゼン大気放出量の削減)

    千葉工場のベンゼンの大気排出量は、2014~2019年の間、20t/ 年で推移していましたが、大気保全を目的としてプロジェクトを進め、排出プロセスの特定、移動量・在庫量・排出量のデータ精度の向上、測定頻度の改善などを行い、VOC 回収装置の運用改善に繋げ、大気排出量は5t/ 年以下まで低減しています。今後も更なる改善を進め、ベンゼンの大気排出量の低減に努めてまいります。

  • 高浜油槽所での取り組み(トルエンの大気排出量削減)

    高浜油槽所での取り組み(トルエンの大気排出量削減)

    高浜油槽所では、トルエンの大気排出量の削減に取り組んでおります。船舶からタンク受入れ、保管、取り出しの際に大気に排出されるトルエンの削減対策を進め、保管時のタンク温度の上昇を防ぐタンク塗装や、タンクへ受け入れ時の経路配管の密閉化、蒸気回収装置の設置など、約30百万円設備投資を行いました。更なる削減に向け、今後は出荷時の蒸発分を含む密閉化を計画しています。これらの対策により、来年度は今年度に比べ、さらに20%削減の見込みとなっております。今度も化学物質の蒸発分の密閉化に努め、大気放出量の削減改善に、積極的に努めてまいります。