ワーキングスタンプ用樹脂PAK-TRADシリーズ
ワーキングスタンプとは
ワーキングスタンプ用樹脂は、高価なマスターモールドを忠実に複製し、最終製品に形状を付与する素材として、ARグラス等商用製品製造工程に採用されております。優れた繰り返し転写耐久性や離型剤を不要とする高離型性などの品質特性は、高度な成型精度が求められる光学系用途において特に有用な特性となります。幅広い光学用樹脂との適合性も良好であることが確認されており、「PAK-TRADシリーズ*1」としてご提供可能です。
*1 PAK-TRADシリーズは開発中製品です。
- 製作例
- 繰り返し転写耐久性
特徴
従来は高価なマスターとなるモールド(型)を繰り返し使用していました。本技術では、マスターモールド複製プロセスにて、ワーキングスタンプ用樹脂「PAK-TRADシリーズ」を用いて、マスターモールドの形状を複製いたします。次に製品成形プロセスにて、ワーキングスタンプを繰り返し使用して、ナノサイズで加工された製品を得ることができます。また、従来のUVナノインプリント技術で簡便に製造でき、新たな技術導入が不要です。弊社ではUVナノインプリント樹脂ラインナップとして、ワーキングスタンプ用樹脂「PAK-TRADシリーズ」をご用意しております。
製品紹介
PAK-TRADの特長
- 優れた繰り返し転写耐久性
- 高離型性のため離型処理不要
- 溶剤フリーのため溶剤除去工程(プリベイク工程)が不要
- UV照射のみで硬化が完了するため熱硬化工程(ポストベイク工程)が不要
PAK-TRADの性状
製品の種類と主な特徴 | PAK-TRAD03 高離型性 |
PAK-TRAD10 高感度UV硬化 |
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硬化方式 | UV | UV | ||||||
分類 | ・アクリル系 ・ラジカル重合系 |
・アクリル系 ・ラジカル重合系 |
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溶剤 | 無溶剤 | 無溶剤 | ||||||
UV硬化前 (液体) |
外観 | 透明 | 透明 | |||||
動粘度(25 ˚C) | 32 cSt | 52 cSt | ||||||
UV硬化後 (固体) |
ヤング率 (ナノインデンテーション) |
3 GPa | 2 Gpa | |||||
鉛筆硬度 | F | B | ||||||
透過率(365 nm)*2 | 83 % | 83 % | ||||||
UV硬化条件 | 推奨光源 | UV-LED(365 nm) 高圧水銀ランプ メタルハライドランプ |
UV-LED(365 nm) 高圧水銀ランプ メタルハライドランプ |
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照度(365 nm) | 25-1,000mW/cm2 | 25-1,000 mW/cm2 | ||||||
積算露光量 | >20 J/cm2 | >1.5 J/cm2 | ||||||
使用可能な マスターモールド |
材質 | 金属(Ni, Si) *3, 石英*3, ポリマー | 金属(Ni, Si) *3, 石英*3, ポリマー | |||||
離型処理 | フッ素系シランカップリング剤 | フッ素系シランカップリング剤 | ||||||
パターン形状 | ライン/スペース、ホール、ピラー、グレーティング etc | ライン/スペース、ホール、ピラー、グレーティング etc | ||||||
推奨基板 | 昜接着PETフィルム(東洋紡製COSMOSHINE) または昜接着処理ガラス または昜接着処理Si |
昜接着PETフィルム(東洋紡製COSMOSHINE) または昜接着処理ガラス または昜接着処理Si |
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塗布方法 | ・スピンコート 500rpm:10 μm 1,000rpm:5 μm ・ディスペンス ・バーコートまたはアプリケーター塗布 ・スリットコート |
・スピンコート 1,000rpm:11 μm 2,000rpm:6 μm ・ディスペンス ・バーコートまたはアプリケーター塗布 ・スリットコート |
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推奨膜厚 | 5-20 μm | 5-20 μm | ||||||
推奨保管条件 | 冷暗所(0-25˚C) | 冷暗所(0-25˚C) | ||||||
上記の値は製品規格値ではない点、ご了承ください.
*2PETフィルム状に塗布後UV硬化した樹脂の透過率(樹脂の膜厚:約10 μm、PETフィルムの厚み:100 μm、PETフィルムの透過率:84%) *3あらかじめ離型処理することをおすすめします。 |