UVナノインプリント用樹脂PAKシリーズ
UVナノインプリント用樹脂* PAK-01
*弊社UVナノインプリント樹脂は開発中製品です。
光硬化性樹脂PAK-01は国内初のUVナノインプリント(UV-NIL)専用樹脂です。本製品はUVナノインプリント用に最適化され、研究開発に広く利用されています。
PAK-01の特長
塗布性:スピンコート塗布性が高く、大面積にも対応
離型性:離型性が高く、モールドへのダメージは極少
転写性:最小20nmの転写が可能(PAK-01実績値)
PAK-01の性状
外 観 :透明粘凋性液体
動粘度:50~65cSt(約60mPa・sec)
推奨露光量:10mJ/cm2以上
UVナノインプリント用樹脂 PAK-01ラインナップ
さまざまな用途・プロセスに対応できるよう、膜厚に応じた幅広いラインナップをご用意しています。膜厚14ミクロンから60ナノメートルの範囲でご検討いただけます。
UVナノインプリント用樹脂 PAK-01使用実績と検討例
UVナノインプリント用樹脂 PAK-01は国内外の研究機関で幅広く使用されており、試験用の樹脂として高い評価を頂いています。使用する基板やモールドの材質を選ばないためプロセスマージンが広く、多くの加工プロセスに対応できます。高アスペクト比の転写やドライエッチングプロセスの初期検討など、幅広い研究分野でご検討頂いています。
早稲田大学
Si基板の加工例
UVナノインプリント用樹脂 PAK-01パターンをレジストとして利用することで、ドライエッチング法によるSi加工が可能です。残膜の厚みを正確にコントロールするため、薄膜塗布タイプのPAK-01が使用されています。
産業技術総合研究所、東京理科大学
ナノインプリントの分解能の検討例
ナノインプリントのパターニング精度はUVナノインプリント用樹脂 PAK-01のLER(ラインエッジラフネス)の値から検討され、他の加工技術(半導体リソグラフィー等)よりも圧倒的に良好であることが実証されました。
首都大学東京
高アスペクトパターニング検討例
高アスペクトのナノパターンを有するモールドを作製し、UVナノインプリント用樹脂 PAK-01に転写しています。このようなアスペクトが高い転写の場合でもパターン崩れが起こりません。
UVナノインプリント用樹脂* PAK-02
*弊社UVナノインプリント樹脂は開発中製品です。
PAK-02は光学部材向けに開発したUVナノインプリント用樹脂です。本製品はロールインプリント装置を用いた量産試験に適しています。
PAK-02の特長
- 光学用途 / 量産試験用に最適
- 透明性
- 有機基板への接着性
- 金属モールドからの離型性
PAK-02の性状
- 外 観・・・・透明粘凋性液体
- 粘 度・・・・約 9 mPa・sec
- 推奨光源・・・超高圧水銀灯、UV-LED、メタルハライドランプなど
- 屈折率
(D線;589 nm、UV硬化後)・・・1.51
PAK-02の透過性(PAK-01との比較)
PAK-01とPAK-02の性能比較
UVナノインプリント用樹脂 PAK-02はPAK-01の優れた特徴(離型性、接着性、塗布性)を保持したまま、Niモールド・樹脂基板でのインプリントを可能にしました。また硬化膜が透明な設計なので光学部材として最適です。
項目 | 材質 | PAK-01 | PAK-02 |
---|---|---|---|
塗布性・接着性 | 無機基板(Siなど) | ○ | × |
有機基板(PC、TACなど) | △ | ○ | |
離型性 | 石英モールド(離型処理あり) | ○ | ○ |
Niモールド(離型処理なし) | △ | ○ | |
非着色性(400nm~) | △ | ○ |
UVナノインプリント用樹脂 PAK-02の使用実績と検討例
UVナノインプリント用樹脂 PAK-02はロールインプリント装置などによる大面積転写に適しており、装置での試験実績も豊富です。基本的な樹脂特性として要求される塗布性や離型性、基板接着性は、使用する基板やモールドの材質によっても大きく異なります。
PAK-02は有機基板への接着性と金属モールドからの離型性に優れ、良好なプロセスマージンを有します。
ロールインプリント装置による大面積転写例 東芝機械様-ロール・ツウ・ロール微細転写装置
ロール状の金属モールドを用いてフィルム基板にパターン転写を行いました。実機試験でもプロセスエラーが少なく、大面積転写に適しています。
V溝形状転写例 東芝機械様提供写真
ロールインプリント装置を用いてフィルム上にマイクロサイズのV溝形状を転写したものです。欠陥も少なく良好な転写性を示しています。
微細パターン転写例
UVナノインプリント用樹脂 PAK-02はナノオーダーのパターン転写性も良好です。300nmドットパターンの転写例を示します。
UVナノインプリント用樹脂への要求特性
UVナノインプリント用樹脂の要求特性は、(1)用途に関わらず共通しているUVナノインプリント(UV-NIL)プロセス特性と、(2)用途ごとに異なる用途別特性の2つに大別されます。UVナノインプリントプロセス特性としては基板密着性、離型性、速硬化性、機械強度などが挙げられます。これらの特性に加え、各用途別の特性を付与した高機能性の樹脂を開発しています。
プロセスの違いによる膜厚の変化
樹脂の要求特性(共通の特性と用途別特性)
UVナノインプリント用樹脂の用途別開発例
ドライプロセス用
要求特性
ドライエッチング耐性、薄膜転写性
試験例
1.ドライエッチング用樹脂をUVナノインプリント(UV-NIL)にてパターニング
2.樹脂パターンの残膜を除去
3.得られた樹脂パターンをマスクに基板をドライエッチングにより加工
右の写真は同プロセスにより作製された140nmのピラー形状のSiパターンです
ウェットプロセス用
要求特性
耐液性、ドライエッチング耐性、薄膜転写性
試験例
1.ウェットプロセス用樹脂をUVナノインプリント(UV-NIL)にてパターニング
2.樹脂パターンの残膜を除去
3.得られたパターンをマスクに電鋳を実施
4.電鋳パターンをマスクにドライエッチングにより基板を加工
右の写真は同プロセスにより作製された500nmピッチの凹凸形状のGaNパターンです。
永久部材用
要求特性
耐候性、耐湿性、耐熱性、非着色性 等
目的デバイス毎に必要物性が異なります。
試験例
1.フィルムに光学部品用樹脂を塗工
2.Niモールドと樹脂を接触
3.基板側より露光した後、離型
右の写真は同プロセスにより、8インチφ一括転写した樹脂フィルムです。