UVナノインプリント
ナノインプリントとは
ナノインプリント(NIL)とは、樹脂をモールド(型)と基板で挟み込み、ナノメートルオーダーのパターンを転写する微細加工技術です。ナノインプリント(NIL)の工程は、(1)塗布、(2)プレス、(3)転写(UV光または熱)、(4)離型、の4つの要素からなり、非常に単純なプロセスでナノサイズの加工が完成します。装置が簡易で高スループットが期待されるため、低コストで量産できる微細加工技術として期待されています。半導体デバイス、ストレージメディア、バイオ、光学部材など多方面の分野で、実用化への取組みが進んでいます。
UVナノインプリントの技術的優位性
従来技術との比較
ナノインプリント(NIL)は、他の微細加工技術では困難な大面積加工が可能な点が最大の特長です。適用できる加工寸法・面積の範囲が非常に広いため、幅広い用途に対応できます。加工精度も非常に良好であり、半導体リソグラフィーを凌駕する解像度を示します。
従来技術では、最小加工寸法と加工面積に
トレードオフの関係があります。成型技術をベースとするナノインプリント(NIL)は、
幅広い加工寸法と加工面積に対応します。
熱ナノインプリントとの比較
ナノインプリントには主に熱方式と光(UV紫外光)方式の2種類があります。中でもUVナノインプリント(UV-NIL)は転写性とプロセス速度の点で圧倒的に優位です。室温で瞬時硬化が可能な光硬化性樹脂を使用するため、加熱、加圧によるパターン変形を生じず、高速プロセスが可能です。
転写方式 | 熱方式 | UV方式 |
---|---|---|
解像度 | <10nm | <10nm |
プロセス温度 | ×(>100℃) | ○(室温) |
プロセス圧力 | ×(10MPa) | ○(0.1MPa) |
転写性 | △ | ○ |
位置合わせ | △ | ○ |
材料自由度 | ○ | △ |